サブタイトル
本当にあった恐い話タイトル

 あなたは、ふだん暮らしている街で、非常に現実離れした人物や物事に出会ったことはありませんか。今回は、日常の中に潜む不思議な体験談を集めてみました。

 

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恐怖の河童女

イメージ まずは、あうくだの父の体験談・・・昨年の年末、永年の友人である長者原氏と飲みに行った帰り道での事。
 ・・・あの帰り道、私は自宅近くの地下鉄駅の通路でとっても恐いものを見てしまいました。名付けて「恐怖の河童女」。人気のなくなった午前0時の地下道で40歳ぐらいの丸顔の女性とすれ違ったのですが、頭は角のように5、6本にわけてくくってあり、足はサンダルばき、緑色のスエットのように見えたその背中にはなんと甲羅模様があるではないですか!あまりの恐怖に酔いもいっぺんにさめてしまいました。後で聞いたところでは、同じマンションのMさんもその日の日中、近くの商店街でその女を目撃したとのこと。どうも近所に生息しているらしいです!

 なお、この河童女と思われる中年女性の目撃証言は、その後も多数よせられている。
 まずは前述のMさんの証言。
「トレーナーの背中にかすみ草を差して、ユラユラゆらしながらS商店街を歩いているのを見ました」
つぎに母の友人Aさんの証言。
「マクドナルド前で、花籠のような帽子をかぶって、道行く人を見ていました」
そして、あうくだの母の証言。
「4丁目の交差点で、ちらし寿司を食べながら横断歩道を渡っているのを見ました」
さらに最近の目撃証言。
「11月というのに半袖のTシャツに短パン、ビニールのサンダル履き。耳の部分にピンクのウサギを付けた白い毛糸の帽子をかぶっていました」
 ここまで目撃者が多いということは、間違いなくおおたきいっかのご近所に住んでいるのだろう。いったいどういう暮らしをしているのか、知りたいような知りたくないような、複雑な気分である。


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異次元空間を行くバス

イメージ  次は、あうくだの母の体験談である。
 ・・・「人にやさしい運転」をモットーとする大阪の市バスですが、時々とんでもないバスに遭遇することがあります。実家に行くために乗ったバスが、まさにそれでした。
 乗ったとたんに、急発進。娘(当時3歳)はあわてて私のスカートをつかみ、私もかろうじて吊革につかまりました。「乱暴な運転だなー」と思っていると、なにやら異様な声が・・・。
「次は〜5丁目ーっ、ごちょうめーってかー?」
 声は真うしろから聞こえてきます。振り向くのもこわい。娘も尋常でない様子に気づいたのか、私の手をギュッとにぎってかたまってしまいました。
「はいー、次は〜公園前ーかな? あたりーっ、こうえんまえでしたー」
 前から3番目ぐらいにすわっている五十半ばのおじさんが、にこやかにリズムをとりながら、停留所ごとにアナウンスしています。さらに信号で急停止するたびに、
「急停車にご注意くださーい、あぶないなあー、ほんまに、なーっ」
みんな聞こえないふりをしているのですが、バス内の雰囲気は凍りついていました。
 早く降りたいと祈るような気持ちで約10分。「次は〜公立病院前ー、びょういんですよーっ」とまた例の声。
 やっと降りられる、と、前方へ移動しようとしたとき、それまでも決して丁寧な運転をしていたとはいえない運転手が、「間に合うかな」とつぶやいて急加速、赤信号に変わった直後の交差点を通過したのです。さらにその先わずか10メートルの所にある停留所に急停車。ころがりそうになるのを、なんとか持ちこたえて降車ドアへ行くと、そのとんでもない運転手が一言、「あわてないでね。ゆっくり降りてよ、危ないから」。
 ・・・あんたの方がよっぽど危ないんじゃないの?
 ちなみにその停留所は、派出所の真ん前。
 運転手はこわかったし、アナウンスおじさんも無気味だったし、こんなバスには二度と乗りたくないと思いました。


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踊るお祈りおばさん

イメージ  これもあうくだの母の体験談である。
 ・・・ある夏の日の夕刻、私は大阪のA証券前でバスを待っていました。渋滞のせいか、なかなかバスは来ません。なにげなくあたりを見回していて、私はある人物に目を留めました。
 四十半ばぐらいのその女性は、ごく普通の白いブラウスにフレアースカートといった格好で、すたすたと歩道を歩いてきたと思ったら、突然、ビルの壁に向かって手を合わせ、その手を上下させながら、口の中でなにやらお題目を唱え出したのです。びっくりして見ていると、だんだんその動きが大きくなってきて、最初は手だけだったのが、頭を振り始め、やがて上体を動かして、なにやら憑き物がついたように踊り始めました。
 同じくバスを待っていた他の人たちも、一様に怪訝な顔をしています。株で大損した人かなあ、などと思いながら見ていましたが、その祈祷のような踊りはますます激しさをましてきます。
 やがてバスが来て、私たちは逃げるようにバスの中へ。
 そして、お祈りおばさんはなおも一心不乱に踊り続けていました・・・。


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流血・新聞読みじいさん

イメージ  これは、長者原氏が横浜に住んでいたときに体験した話である。
 ・・・一番笑ったというか印象的だったのが「流血・新聞読みじいさん」ですね。朝、出勤時に地下鉄の改札を出ると頭のはげた爺さんが地下道の端っこで立ったままで新聞を読んでいるのですが、なぜかいつも額から一筋、二筋の血が流れているのです。ダラダラ流れている訳ではないのですが異様で不気味です。でも会えない日はちょっと残念で淋しい気分になります。流血していない日もありますが傷らしい痕はいつもあります。頭突きマニアなのか?(謎笑)
 今から思えばデジカメ撮っておけばよかったな・・・けど、フラッシュが光った瞬間猛烈に怒って頭突きのポーズで頭を上下に激しく振りながら追っかけてきたら笑う・・・いや、怖いだろうなぁ・・・


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地下鉄のバナナおじさん

イメージ  長者原氏は、昨年暮れにも奇妙な人物に遭遇したという。
 ・・・昨日(12月28日)は恵美須町の駅でバナナおじさんを目撃。黄色い服というより衣装を纏って口にはおしゃぶりをくわえている!Tさん(同じ会社の人)らといっしょだったのですが、買い物客でにぎわっているホームはなんとも異様な雰囲気でした。おじさんは我々と同じ電車に乗りましたが残念ながら?次の日本橋駅で下車。周りの人間がのけぞるのも気にせず、ヒラリと身をひるがえして地下街に消えていきました。おしゃぶりマニアか?(怖笑)



この記事は1998年12月号に掲載されたものです。
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