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第九回 クロテッドクリームをさがせ!


 こんにちは。もうもう、思いっきりご無沙汰してます。  20世紀から21世紀に瞬間移動(?)してきた、あうくだの母です。  今年の冬はどうやら暖冬らしく、寒がりの私としてはうれしいのですが、ときどき帳尻を合わせているのかと思うほど寒ーい日があって、つい油断をしていて風邪をひいてしまいます。

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イメージイラスト イメージイラスト さて。なんと四年ぶり(苦笑)の今回の話題は、紅茶のお供のスコーンのお話。
 最近はスコーンもとってもポピュラーになってきて、ユニークなCMでおなじみのスナック菓子とまちがわれることもなくなりました。数年前まではスコーンというと「スコーンスコーン、コ○ケヤスコーン……っていうやつ?」と言われましたが。
 さくさくとした温かいスコーンは、ミルクティーとの相性がばつぐんです。プレーンなものもいいですが、お好みでレーズンなどのドライフルーツを入れたり、アーモンドの薄切りをのせてみたり。先日はクルミを混ぜて焼いてみましたが、これがまた香ばしくてたいへんおいしかったです。
 うちで食べるときはジャムとホイップクリームをつけますが、ものの本によると英国ではクロテッドクリームという脂肪分の多いこってりとしたクリームをつけるとのこと。これはぜひとも味わってみたいと思い、あちこち探しましたが売っていない。
 日本では手に入らないのかとあきらめかけていたとき、偶然立ち寄ったデパートの「英国展」で幻のクロテッドクリームを見つけました。


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 これは食べねばなるまいと150グラム400円で買い求め、さっそく家に帰ってスコーンを焼きました。
 焼き立てにジャムとクロテッドクリームをたっぷり乗せて、いざ試食。
 口の中でとろ〜りととけて、ジャムとミルクの香りがひろがって、なんとも絶妙な味のハーモニーでした。ホイップクリームのように甘くなく、かといってバタークリームのように重くもなく。どちらかというと、クリームチーズやサワークリームに近い感じです。
 ふーん、これが本場の味なのね……と、ひととき優雅な気分に浸ったのでした。
 それからしばらくのあいだ、クロテッドクリームと巡り会うこともなく月日は過ぎて行きました。マーガリンやバターのように日常的に使うものではありませんから、それこそ物産展のような催しがなければ手に入らないものだと思っていたのです。
 ところが。ある日、あうくだの父の実家近くのスーパーで、国産のクロテッドクリームが売られているのを発見したのです。
 中沢乳業という会社が販売しているそのクロテッドクリームは、香りもよく味もまろやかでくせがなく、スコーンにのせたときのぽってりとした感じが最高。
 その後、大阪駅近くにある食料品店でも売られていることを知り、とてもうれしくなりました。先日は、あうくださんが学校に行っているあいだにいそいそと出かけ、クロテッドクリームとトワイニングの缶入りの「オレンジ・ペコ」(なんと半額セールでした!)を買ってきました。今年の冬はちょっとリッチなティータイムが楽しめそうです。

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イメージイラスト イメージイラスト  昨今の英国ブームで、いろいろなお店でアフタヌーンティーを楽しめるようになりましたが、クロテッドクリームを出している所はまだ少ないようで、私が知っているかぎりでは、阪急電鉄の宝塚駅の近くにあるティーハウス「SARAH」だけです。  もっとも最近は、新しい紅茶専門店がたくさんオープンしていますから、その中にはクロテッドクリームを置いている店もあるでしょう。機会があれば、また喫茶店巡りに行きたいと思っています。  あうくださんの友達のママさんの中に、私と同じく紅茶好きな方がいらっしゃいまして、この頃は何かと言えば集まってティーパーティーのようなことをしています。
 そこで付き物なのが、やっぱりケーキやスコーン。
 ダイエットはすっかり頓挫して、かえって増量してしまいました。体脂肪率などは、とてもじゃないけど公表できません。
 あうくだの父の深ーいため息が聞こえますが、この際、日々のしあわせを優先させることにします。
 皆様も、それぞれのささやかなしあわせを見つけてくださいね。
 では、またお目にかかりましょう。
  (つづく)



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